金城宗幸さんは、『ブルーロック』を手掛けたことで広く知られる漫画原作者ですが、そのほかにも数々の人気作品を生み出しています。
本記事では、彼の代表作である『神さまの言うとおり』『ジャガーン』『僕たちがやりました』『ビリオンドックス』など、ユニークで刺激的なストーリーが展開される作品を紹介します。
彼の創り出す斬新な設定と深いテーマに触れることで、金城宗幸さんの多彩な作風を堪能できることでしょう。
記事のポイント
- 金城宗幸さんの経歴と漫画原作者としての歩み
- 『神さまの言うとおり』や『ブルーロック』などの代表作の概要
- 各作品の特徴やテーマ、設定
- 読者からの感想や作品の評価
目次
ブルーロックの作者金城宗幸さんの他の作品:作者の情報とおすすめ漫画1~3
作者金城宗幸さんの情報
金城宗幸さん(かねしろ むねゆき、1987年生まれ)は、大阪府出身の漫画原作者です。
中学時代は吹奏楽部に所属し、高校卒業後、京都精華大学マンガ学部を卒業しました。
大学時代に、祖母の沖縄戦の経験を基にした短編漫画を描いたことが原点で、2008年には「独地小学校物語」で週刊少年マガジン新人漫画賞特別奨励賞を受賞しました。
しかし画力の限界に悩み、一時は漫画家を断念し、お笑い芸人を目指す時期もありました。
その後、編集者からの助言で漫画原作に転向し、2011年に「神さまの言うとおり」でデビュー。この作品はサバイバルホラーの要素を持ち、2014年に実写映画化もされました。
さらに、「ブルーロック」では第45回講談社漫画賞少年部門を受賞し、その人気を確立しています。彼の作品は、斬新な設定と社会への洞察が特徴です。
神さまの言うとおり
あらすじ
普通の高校生である高畑瞬は、退屈な日常を送っていましたが、ある日突然、教室に現れた「だるま」によって、命を懸けた「試練」に巻き込まれます。この試練では、古来から知られる遊びが命を懸けた殺人ゲームに変わり、予想もつかないサバイバルが展開されます。瞬をはじめとする参加者たちは、生き残りを懸けて次々と現れる恐怖に立ち向かわなければなりません。
登場人物
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高畑 瞬(たかはた しゅん)
本作の主人公。普通の高校生であり、退屈な日常に不満を感じていましたが、突然の試練に巻き込まれます。冷静な判断力と勇気を持ち、仲間と協力しながら困難に立ち向かいます。 -
秋元 いちか(あきもと いちか)
瞬のクラスメイトで、はっきりと物を言う強気な性格の少女。試練を通じて瞬と共に生き残りを目指します。 -
天谷 武(あまや たける)
他の生徒たちに恐れられる不良少年。暴力的で残忍な性格であり、試練においても自己中心的に振る舞います。
感想
「神さまの言うとおり」に対する感想は、読者によって様々な反応が見られます。
特に、デスゲームの突然の展開に驚いた読者が多く、急な展開やキャラクターへの感情移入が難しいという意見が目立ちます。
一方で、その過激さや予想外の展開を楽しむ読者もおり、特に「グロい描写が苦手でなければ面白い」という感想が多いです。
評価が分かれる点としては、キャラクターが急に登場して死んでしまうため、彼らに対する愛着が湧きにくいという指摘があります。
また、「GANTZ」や「王様ゲーム」など、同じジャンルの作品と比較されることが多く、シンプルなデスゲームのアイデアに対して「単純ながら楽しめる」という肯定的な声と、「緊張感に欠ける」「説明が不足している」といった批判的な意見もあります。
全体として、テンポの早さや独特のシュールさが好きな人には好評ですが、深いストーリー性や心理描写を求める読者には物足りないと感じられることが多いようです。
スーパーボールガールズ
あらすじ
社会人2年目の一好瑛太は、ぱっとしない日常を送っていましたが、ある日、帰り道で拾ったスーパーボールが美少女に変化するという不思議な出来事に遭遇します。その美少女とキスをすると、さらに3人のスーパーボールから生まれた美少女が登場し、彼は彼女たちと共に奇妙で愉快な生活を送ることになります。
登場人物
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一好 瑛太(いちよし えいた)
主人公。映画好きの社会人2年目で、冴えない日常を送っていましたが、スーパーボールから生まれた美少女たちとの出会いで日々が大きく変わります。 -
エリザ
瑛太が拾ったスーパーボールから最初に生まれた美少女。独占欲が強く、瑛太に対して強い愛情を示します。 -
桜花(おうか)
エリザとのキスで生まれた美少女。勉強家で知的な一面を持っています。 -
秋華(シューカ)
好奇心旺盛で明るい性格の美少女。とても元気で、時に無鉄砲な行動を取ることもあります。 -
菊花(キッカ)
内向的で、PCが好きな美少女。臆病な一面もありますが、仲間を大切にする心優しいキャラクターです。
感想
『スーパーボールガールズ』に対する感想をまとめると、読者はまずその奇抜な設定に驚かされます。
スーパーボールが美女に変わり、キスをすることで増殖するという展開は予想外であり、初めての読者にとって非常に衝撃的です。
ハーレムものとしての要素が強く、エロティックな雰囲気が漂いますが、SFやホラー的な側面も含んでいるという意見が多く見られます。
また、主人公である瑛太のキャラクターは、冴えない一般人として描かれているため、読者からの共感を呼び、物語の奇抜さと彼の平凡さとの対比が面白いと感じる声もあります。
さらに、登場人物たちの超人的な力や行動に対して、今後の展開が全く予測できず、物語がどのように進行していくのかに期待を寄せる感想が多いです。
全体的に、予測不可能なストーリー展開と独特のキャラクター造形に対して、多くの読者が興味を引かれ、次の展開を楽しみにしています。
ジャガーン
あらすじ
主人公・蛇ヶ崎晋太郎は、平凡な日常を送る27歳の警察官です。しかし、退屈な日々に不満を抱き、心の中には「ぶっぱなす」という破壊衝動を秘めています。ある日、街にカエルの姿をした謎の寄生生物「キチガエル」が出現し、人々が寄生されて「壊人(かいじん)」へと変貌して暴れ回る事件が発生します。
偶然その騒動に巻き込まれた蛇ヶ崎は、自らも「半壊人」となり、人間と壊人の間の存在として特殊な能力を得ます。彼はこの力を使い、壊人となった人々と戦いながら、街を守り、壊人の元凶である「キチガエル」を追い求めていくことになります。
登場人物
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蛇ヶ崎 晋太郎(じゃがさき しんたろう)
本作の主人公。舞羽(ぶっぱ)市の警察官で、平凡な日常に退屈していましたが、キチガエルによる壊人化の事件に巻き込まれ、「半壊人」の力を得ます。特殊な右腕の能力「ジャガーン」を使い、壊人との戦いに身を投じます。 -
毒山田 惨死郎(どくやまだ さんしろう)
蛇ヶ崎のパートナーであり、フクロウの姿をしたキャラクター。壊人やキチガエルについて詳しく知っており、蛇ヶ崎に助言を与え、サポートします。ユニークな性格で、江戸っ子のような口調で話します。 -
ベルちゃん
蛇ヶ崎が出会う女性。彼女の存在が、蛇ヶ崎にとって人間としての側に留まる抑制力となり、彼が力を使う際のトリガーとなる重要なキャラクターです。
感想
『ジャガーン』に対する感想をまとめると、読者はまずそのダークヒーロー的な設定と独特な世界観に注目しています。
主人公の蛇ヶ崎晋太郎が、つまらない日常に不満を抱く平凡な警察官から、突然「壊人(かいじん)」と呼ばれる怪物との戦いに巻き込まれる展開は、多くの読者にとって衝撃的かつ魅力的です。
特に、彼の右手が「ジャガーン」として覚醒し、壊人を撃退するシーンは王道ヒーロー的要素がありつつも、内に秘めた欲望がテーマとなるダークなストーリーが展開される点で引き込まれるという意見が多く見られます。
一方で、寄生獣や仮面ライダーなど、他の作品との類似点を指摘する声もありつつ、独特のネーミングセンスやグロテスクな描写が作品のユニークさを際立たせていると評価されています。
壊人化したキャラクターたちが暴走する様子や、蛇ヶ崎が彼らと対峙することで自身の欲望や葛藤に向き合う姿に共感する読者も多いです。
全体として、『ジャガーン』は単なるアクションやグロテスクな要素だけでなく、人間の欲望や破滅に関する深いテーマを扱っており、その点に惹かれるファンが多い作品となっています。
ブルーロックの作者金城宗幸さんの他の作品:おすすめ漫画4~7
僕たちがやりました
あらすじ
高校生の増渕トビオたちは、特に目的もなく日々を過ごしていました。ある日、彼らは近隣の不良高校とのトラブルに巻き込まれ、その復讐としていたずらで爆弾を仕掛けます。しかし、その爆弾が思いもよらぬ大惨事を引き起こしてしまい、トビオたちは一瞬にして「爆破事件の容疑者」となります。罪の意識や警察の追跡から逃げる日々の中で、彼らはそれぞれの思いと向き合いながら、逃亡生活を続けます。青春と罪、後悔を描くスリリングな物語です。
登場人物
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増渕 トビオ(ますぶち とびお)
主人公。平凡な高校生で、特に将来の夢や目標を持たず、無気力に日々を過ごしていたが、爆破事件をきっかけに逃亡生活を送ることになります。 -
伊佐美 翔(いさみ しょう)
トビオの親友。明るくお調子者な性格だが、事件後の罪の意識に苦しむ一方で、欲望に流されやすい一面を持っています。 -
マル(丸山 友貴)
トビオの友人で、彼らの計画に加わる。狡猾で自分本位な性格で、逃亡生活の中で冷酷さを発揮することもあります。 -
パイセン(凡下 高)
トビオたちの先輩で、裕福な家庭に育ち、金に物を言わせる自信家。事件の中心人物であり、彼の何気ない行動が大きな悲劇を引き起こす原因となります。
感想
物語のダークさとリアルさが強く印象に残るという声が多いです。作品では、主人公たちが軽い気持ちで行ったいたずらが大惨事を引き起こし、逃亡や後悔の中で彼らの人間性が浮き彫りにされます。
その過程で、読者は「人間の弱さ」や「ズルさ」、「後悔」といったリアルな感情を目の当たりにし、精神的に疲弊する一方で物語に引き込まれるという感想が目立ちます。
特に、登場人物たちの未熟さや行動の結果として起こる悲劇に、多くの読者が共感しつつも複雑な感情を抱いています。
また、物語全体に漂う閉塞感や後味の悪さが、強烈な読後感を残す一因となっています。
キャラクターに関しては、マルのように最後までクズとして描かれるキャラや、トビオのように「そこそこの幸せ」を求めながら苦しむキャラに対して、様々な意見が寄せられています。
全体的に、物語の重いテーマや登場人物の欠点をリアルに描いている点が高く評価されており、ダークな青春ストーリーとして多くの読者に強い印象を与えています。
ビリオンドッグズ
あらすじ
一攫千金を夢見る青年・平太とその仲間たちは、裏社会の金庫に眠る「100億円」を狙うことを決意します。彼らは巧妙な作戦を立て、警察やヤクザなどの目をかいくぐりながら、綿密な計画を実行に移していきます。しかし、金を巡る欲望と裏切り、様々な勢力の思惑が交錯し、計画は次第に複雑な方向へと進んでいきます。100億円を手にするため、彼らは命を懸けた犯罪劇を繰り広げます。
登場人物
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平太(へいた)
主人公。頭脳明晰で冷静な青年。幼少期から裕福ではなかったため、100億円を手にして人生を変えようとしています。計画の中心人物で、仲間たちとともに金を狙います。 -
安藤 祐一(あんどう ゆういち)
平太の親友で、作戦の実行に加わる。平太に深い信頼を寄せ、彼と共に危険な計画に参加することを決意します。 -
三上 真司(みかみ しんじ)
平太の仲間であり、計画の一部を担う。冷静沈着な性格で、リスクを計算して行動する一方、仲間に対する忠誠心を持っています。
感想
『ビリオンドッグズ』は、30億円強奪計画という大胆な設定が特徴で、冒頭からスリリングな展開が読者を引き込みます。
犯罪をテーマにしつつも、どこかエンターテインメント性が強く、キャラクターの掛け合いやトラブルを回避するスリルが好評です。特に、主人公たちが冒険の中で成長していく様子に魅力を感じる声が多く、バディ同士のやりとりも見どころとなっています。
一方で、現実離れした展開やご都合主義的な部分に対しては、「リアリティが欠けている」という指摘も少なくありません。
それでも、フィクションとして割り切って楽しむ読者が多いのも事実です。また、作画の美しさが特に高く評価されており、ストーリーとともに視覚的な楽しみも提供しています。
総じて、ハードボイルドでスリリングな要素を楽しめるエンターテインメント作品として、多くの読者に支持されています。
インビジブルジョー
あらすじ
「インビジブル・ジョー」は、主人公であるジョーが、突然の事故によって姿を消してしまう能力を手に入れることから始まります。
透明人間となったジョーは、この力を使って自分の人生をやり直そうとしますが、やがてその能力がもたらす孤独と狂気に直面していきます。自らの存在を無視される恐怖と、透明人間として何を成し遂げるべきかという葛藤の中で、ジョーは自分の居場所を見つけようとします。
登場人物
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ジョー
主人公。事故によって透明になる能力を得ますが、その力の代償として人々から存在を忘れ去られる恐怖と向き合います。最初はその力を利用しようとするものの、次第に精神的に追い詰められていきます。 -
エマ
ジョーの友人であり、唯一彼の存在を認識することができる女性。ジョーの苦悩に寄り添いながら、彼が透明人間としてどのように生きるかをサポートします。
感想
『インビジブル・ジョー』は、透明人間の能力を持つ主人公が、同級生を救うために様々な依頼をこなしていくというストーリーが展開され、多くの読者にその独特の設定が注目されています。
透明人間という能力を活かした場面や、その能力に伴う制約(毛を剃ったり、かつらを使うなどの工夫)が細かく描かれており、そのディテールが評価されています。
一方で、1巻時点では伏線が多く、物語の全貌がまだ明かされていないため、全体の評価は「今後に期待」という声が多いです。
また、主人公が透明人間の力を使って戦う相手が、特殊能力を持つ敵である点や、少しグロテスクな描写も含まれているため、ダークなアクションとして楽しめるという意見が見られます。
反面、透明人間という設定が生かしきれていないという指摘もあり、もっと独自のシチュエーションでの緊張感を期待する声もあります。
全体として、今後の展開次第で評価が大きく変わる可能性が高い作品だと言えます。
グラシュロス
あらすじ
『グラシュロス』は、原始時代を舞台に、人類が自然と闘いながら生き延びようとするサバイバルドラマです。強大な獣グラシュロスが支配する世界で、部族の生存をかけた戦いが繰り広げられます。主人公たちは、過酷な自然環境や他の部族との争いの中で、自らの生き方を模索し、部族の存続を目指して奮闘します。文明がまだ未熟な時代における人間の野生的な本能と、知恵を駆使した生き残りを描く物語です。
登場人物
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ギル
部族の若きリーダー。仲間を守るため、強力なグラシュロスに立ち向かいます。知恵と勇気を持ち合わせたキャラクターで、部族の生存に対して強い責任感を抱いています。 -
ノア
ギルの友人で、部族内では戦士としての才能を発揮します。力強く行動的な性格で、ギルを助けながら共に試練に立ち向かっていきます。 -
グラシュロス
物語のタイトルにもなっている巨大な獣。圧倒的な存在感で部族たちの生存を脅かす存在です。
感想
『グラシュロス』は、原始時代を舞台にした復讐劇として、その独特な設定やストーリー展開が読者に高く評価されています。
多くの読者が、絵の美しさや臨場感ある描写に惹き込まれ、キャラクターの造形やストーリー展開に興味を持っています。
特に、主人公がどのような人生を歩むのか、先の展開が気になるという声が多く聞かれます。
一方で、多くの読者が指摘するのは「ルビ(ふりがな)」の使い方に対する不満です。物語の真剣な場面でさえ、ふざけたルビが使われることが多く、これが世界観を台無しにしているという意見が多いです。
ルビの遊び心が最初は面白いと感じられても、話が進むにつれて「邪魔」「悪趣味」と感じる読者もおり、そのせいで作品に対する評価が下がってしまうこともあります。
総じて、絵やストーリーの魅力に惹かれる一方で、ルビの使い方が作品全体の評価を分ける要素となっている印象です。もしルビが気にならなければ、より高評価を得られる作品であると言えます。
ブルーロックの作者金城宗幸さんの他の作品記事のまとめ
- 金城宗幸は大阪府出身の漫画原作者である
- 大学時代に祖母の沖縄戦体験を元にした短編漫画を描く
- 2008年に「独地小学校物語」で漫画賞を受賞
- 一度は漫画家を断念しお笑い芸人を目指していた
- 2011年に「神さまの言うとおり」で原作者デビュー
- 「神さまの言うとおり」はサバイバルホラー作品
- 「ブルーロック」で第45回講談社漫画賞を受賞
- 「スーパーボールガールズ」は奇抜な設定のハーレムもの
- 「ジャガーン」はダークヒーローとしてのアクション作品
- 「僕たちがやりました」は青春と罪を描く物語
- 「ビリオンドックス」は強奪計画を描いたハードボイルド作品
- 「インビジブルジョー」は透明人間の苦悩を描いた作品
- 「グラシュロス」は原始時代を舞台にしたサバイバルドラマ